home > Characters

characters

 

栗栖秀太郎

くるす しゅうたろう | 大日本帝国陸軍憲兵上等兵。ヴァンパイアとしてはAクラス。感染時年齢は25歳。大日本帝国において唯一のAクラスヴァンパイア。感染により、しがない一兵卒から大日本帝国が戦略外交の要としている金剛鉄兵計画の最重要人物になってしまう。実家は日本橋の呉服問屋。育ちが良く、どうしても軍人っぽさが出ない。それゆえ発想が軍人と異なるが、後半彼の発想は戦略の要となる。スティグマータ(聖痕:噛み痕)は首にある。

 

山上徳一

やまがみ とくいち | 大日本帝国陸軍憲兵少佐。ヴァンパイアとしてはランク外。元英国在勤帝国大使館附陸軍武官という長ったらしい役職。尊大で小物、陸軍士官学校出のエリートであり、それを鼻にかけている。どこにでもいる高級官僚の嫌なやつ。だが、V-virus感染者(ヴァンパイア)護送中に栗栖と共に感染、感染源がランク外のヴァンパイアだったために、自らもランク外に。エリートから一気に転落人生である。ある意味、チャーミングなヴァンパイア。筋力、瞬発力など全てにおいて並以下の存在であるが、彼にしかない特殊能力がある。手首にスティグマータを持つ。愛妻家。奥さんの名前は富子。

 

タケウチ

たけうち | 大日本帝国陸軍憲兵兵長、零機関科学技術部門主任。ヴァンパイアとしてはDクラス。どこからどう見てもマッドサイエンティストであり、ヴァンパイアには見えない。三度の飯(血)より、この世界の秘密を解き明かすことに喜びを感じている。V-virus実験中、誤って血液が目に入り感染。ゆえにスティグマータが瞳の中にあり、普段は眼帯をしてそれを隠している。永遠に衰えない脳細胞と、永遠の命ゆえの経験で様々な発明をしている。そのほとんどが、異常に発達したヴァンパイアの能力をコントロールしたり、弱点を補うのに役立っている。色々な意味でのキーパーソン。

 

スワ

すわ | 大日本帝国陸軍憲兵伍長。ヴァンパイアとしてはCクラス。感染年齢14~16歳。4人の中で最も長く生きているヴァンパイアである。正確な誕生日は不明だが、おそらく安土桃山時代に外来した南蛮人より感染。人間だった頃の記憶がほとんどなく、「スワ」という名前も諏訪神社の境内でよく遊んでいたことから自分でつけた。野生の期間(人間を捕獲して食っていた期間)が誰より長いので経験も能力も高いが、本能を押さえるのに難がある。血の香りを嗅いだだけで暴走してしまうので、任務中はタケウチが作った防臭マスクを着用している。舶来のヴァンパイア達になぶり喰われており、スティグマータを全身11箇所に持つ。ヴァンパイア嫌いのヴァンパイア。

 

前田義信

まえだ よしのぶ | 大日本帝国陸軍憲兵中佐。後に憲兵大佐。山上の同期であり、エリート街道まっしぐらの「人間」である。山上と同期とは思えないほど見た目も若く、長身で筋肉質な体をしている。ヘビースモーカー。山上とは陸軍士官学校時代から仲が悪い。かなりのドSであり、山上が感染者になってからは、その嫌がらせももはや趣味と化している。冷静沈着を絵に描いたような男。自分を育ててくれた中島中将を実の兄のように慕っており、彼より金剛鉄兵計画を任されている。また、戦場において中島中将から何度も命を救われている。

 

中島宗之助

なかじま そうのすけ | 大日本帝国陸軍中将。前田中佐の後見人であり、大日本帝国の中核を担う若き実力者。たった一人の部下のために戦場へ馬で駆け戻ったことで英雄と讃えられ、またその一方で「大将のとるべき行動ではない」と批判される人物である。佐賀県出身の士族であり、柔術、剣道の達人である。頭脳明晰であり、派閥の少ない佐賀から叩き上げで出世した男である。前田、山上と共に欧州列国に負けない国家のため金剛鉄兵計画を画策する。温和で、お人好しな態度が好感を持たれ兵隊達からは兄のように慕われており、大日本帝国陸軍の新時代を切り開く人物と目されている。

 

デフロット

でふろっと | 白系金髪の少年。本作のストーリーテラー。Sクラスのヴァンパイア。年齢のわりに大人びた口調で話す少年。 大正時代は、今よりオペラが庶民的であり、オペラに熱狂的な若者は「ペラゴロ」(オペラ+ゴロツキ)と呼ばれていた。デフロットはそんな時代、関東大震災前の帝都においてオペラの興行をしていたらしい。曰く「ヴァンパイアは近代化の中で滅び行く、ヨーロッパの古い詩のような存在」

 

白瀬 葵

しらせ あおい | 本作のヒロイン。栗栖の幼馴染みの女で、葵の兄である千太郎と栗栖秀太郎は無二の親友。両親を早くに亡くし、祖父母の家である京橋の扇子屋「楽扇堂」で育つ。扇子屋の白瀬家と呉服屋の栗栖家とは商売上の付き合いだったが、葵と千太郎が秀太郎と遊ぶようになると、両家を行き来するようになり、兄弟同然で育つ。栗栖は戦死した千太郎から「葵のことを頼む」と言われている。頭の回転が速く性格も男勝り、学問も修めており平塚雷鳥とも顔見知りであるが、フェミニズム自体にはあまり興味がない様子。曰く「フェミニズムなど訴えなくても、アタシは男より強いもの」。栗栖秀太郎の「死」に疑問を持ち、軍部を嗅ぎ回るようになる。

 

山上富子

やまがみ とみこ | 山上少佐の妻。元佐賀藩士の子で没落した華族。女学校へ通う姿を山上に見初められ、当時では珍しい恋愛結婚。一見ソフトな良妻賢母であるが、実は気が強く自分の意見はピシャリと言う大正女。直心影流薙刀術を習い続けており、実は山上より強いという噂である。山上はひたすら出世して良いところを見せようと努力しており、それこそが彼の出世への原動力となったが、富子にしてみれば山上のダメなところを面白がっているフシがある。

 

明里

あけさと | 17歳。吉原の遊女である。純朴な中にも、落ち着いたものがある少女。親戚の家をたらい回しにされたあと、吉原に売られてきた不幸な少女であり、心の落ち着く日々などなかったであろうが、それは吉原に数多くある苦労話の一つに過ぎない。スワが守る部屋の中で、おそらく人生でただ一度だけの安全で平穏な眠りを得た。